2017年10月 ≪  123456789101112131415161718192021222324252627282930 ≫ 2017年12月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【 --/--/-- (--) 】 スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

【あなたが病まなくて済むように】

ストーカー青年の恋のお話。



 ずっと待っていたんです。貴方が私の前に現れてくるのをずっと待っていたんです。貴方がこの世に生を受ける遥か前から。あれ、信じられないって顔してますね。でも、貴方がなんと思おうと本当なんですよ。信じてくれなくっても良い。え、違う?違うなんてことがあるもんですか。間違いなく貴方こそ、私が探していたその人です。『そうじゃない!!』

 「否定ばっかりしないでくださいよ」

 男はそう言って僕に笑った。僕が聞いてるのはそういうことじゃないんだって。君にとって僕が何であろうと僕にはどうでもいい。だからさ、答えてよ。
 男は僕の顔を覗き込んで、その不気味な笑顔を歪めた。
 「何で、泣いてるんですか」
 「私、何か酷いことをしましたか?」
悲しまないでくださいよ。男は言った。
 ふざけるな。いや、ふざけてなんていない、男は本気でわけが分からない、といった表情で僕の前を右往左往し始めた。僕は『生理的に』流れた涙を拭うことなく、そんな男の様子を眺めていた。
 ふと男はぴたりと足を止めて床に転がされた僕をそっと抱き上げた。そして自分の目線まで僕を持ち上げるとにっこりとほほ笑んだ。邪気の無い笑み。

 「そうだ。もう貴方は私のものなんだから。泣かなくて済むように私がずっと傍にいるから」
 
 男はうれしそうに首だけになった僕を抱きしめた。



 【ある恋のオチ】
スポンサーサイト
【 2014/07/30 (水) 】 小説 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。